外壁断熱工事

現場は着々と進んでいますが、忙しさの余り、前回の更新から大分時間が空いてしまいました。

進捗は、屋根やバルコニー防水の目途がつき、サッシの建込みや内部の断熱工事が進んでいます。少々、変則的な進め方をしているので、テーマを絞ってブログを書くのが難しかったというのも、更新が遅れた理由の一つですが、今回は、外壁の断熱工事の話をしたいと思います。

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写真は外壁に、105㎜厚の高性能グラスウール16kを充填している状況です。もっとも標準的な光景だと思いますが、きれいに充填されていると思います。グラスウールは袋に包まれているのですが、屋内側に面している方が防湿層を構成しています。屋内の湿気がグラスウールの裏側にまわりこまないように、写真のように防湿層の耳を柱や間柱の正面に留め付けてグラスウールを充填していくことが基本です。防湿層の施工がしっかりとしていれば、冬場に屋内の湿気が壁の中に入り込んだ場合にグラスウールの屋外側で起こる内部結露を軽減することが出来ます。そして、壁内に入り込めない湿気は、24時間換気扇が排気してくれます。

このような理屈は、今や断熱工事の常識となりましたが、それでもまだ、防湿層が破けていたり、真壁でもないのに、防湿層の耳をわざわざ間柱や柱の側面に打ち付けて不連続に施工しているような現場は結構あります。正直、そういうレベルの施工者だと、言えば直るというものではないので絶望的になるわけですが、今回はこのようにきれいに施工が出来る施工者でとても良かったです。簡単なようでいて、やる気がないと、本当に雑になるのが断熱工事です。

上の部分にはテープが張られているところがありますが、これは、天井裏になるところです。石膏ボード等が上から張られない天井裏の壁などは、防湿層をホチキスで留め付けただけではどうしてもゆるゆるとなるため、このようにテープを張るだけでだいぶ違います。

外壁断熱2

また、今回、バルコニーとの床段差部分で2段梁となっているところなどで、構造合板で固めることによって水平構面の剛性に配慮しているところがありますが、こういう部分は断熱の充填をし忘れないように施工者には再三注意を促し、合板施工前に写真も撮影してもらいました。上の写真で、窓の上の断熱材は天井裏の壁ですが、一本梁を挟んでその上の断熱材は、2段梁に挟まれているところで、最終的には構造合板でふさがれてしまうところです。この写真はその断熱材が忘れずに施工されているかを確認するためのものです。

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これは、同じ個所を後日撮影したものですが、このように構造合板が張られてしまうと、断熱材が確認できないので、事前に確認しておく必要があるわけです。

ところで、今回の現場は、写真でもわかるように、イレギュラーな部分も、グラスウールの袋ををきちんとカットしてうまく入れてくれています。これも、ひどい現場では、いちいち寸法にカットするのが面倒くさいのか、グラ スウールがぐちゃぐちゃに押し込まれていたりしています。そういう施工をすると、同じ材料を使用していても、断熱性能は落ちてしまうことがわかっています。

断熱の話はまだいろいろとありますが、今回はもっとも標準的な外壁の話でした。