基礎配筋状況

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今日は大工工事、板金工事、建具・造作家具工事の打ち合わせの帰り、現場の配筋状況を見てきました。何でも、配筋工のスケジュールが変わったらしく思ったより早く組み上がり、あとは手直しを配筋検査までに終わらるような勢いでした。

外周にまわっているオレンジ色の板は、基礎外周面の型枠です。床下に隠れない露出した仕上げ面となるので、写真のような塗装合板型枠を使用することで、比較的きれいな打ち放し面をつくることができます。

スラブ配筋の下に点在している黒い塊は、鉄筋の下にコンクリートによる一定のかぶり厚が確保されるためのスペーサーです。基礎立ち上がり配筋についている白いリングも同様です。立ち上がりの型枠をつくり、コンクリートを打設する際に、鉄筋のばたつきが拘束されることで、必要なかぶり厚を確保できます。

鉄筋コンクリートの鉄筋は、強アルカリ性であるコンクリートの中では酸化被膜を形成し、酸化しにくくなっています。つまり、錆にくくなっています。しかし、コンクリートは常に大気にさらされているので、二酸化炭素の影響を少なからず受け、長い年月をかけて中性化していきます。かぶり厚が不足していると、コンクリートの中性化に伴って鉄筋の酸化被膜が破壊される時期も早くなります。そして、鉄筋の酸化が進行すると錆の膨らみ等によって、コンクリートがひび割れを起こし、そこからまた二酸化炭素が侵入することで、更に鉄筋の酸化が進行していく。。という悪循環に陥るというわけです。このため、かぶり厚には一定の基準が設けられており、写真の中にある各種スペーサーはそのためにあります。

なお、コンクリート打設前に鉄筋に生じるレベルの錆については問題はなく、そのままにしておいてよいとされています。むしろ、コンクリートの付着は良くなります。ただし、錆の塊が付着しているような場合は除去します。