傾斜天井の断熱

OLYMPUS DIGITAL CAMERA上の写真は、2階の一部にある船底天井と、下がり壁部の断熱施工状況です。

今回の一般天井部は、75㎜厚のグラスウール2枚を置き敷きしています。

傾斜天井は、施工のしやすさを考えると、150㎜厚1枚の方が上手く固定できるとは思いますが、施工者側の強い要望から、一般部同様に75㎜厚2枚を置き敷きしています。

どうやったかというと、一枚目は野縁に耳を固定し、2枚目は長いマットを天井の頂点が中央になるようにして、長手方向に被せたということです。まあ、そうすれば、確かにずり落ちてはこなそうです。

ところで、天井断熱は、野縁の上に置き敷き、つまり、上に載せているだけになりますが、置き敷きの精度によってどうしてもグラスウールマットについている防湿層が断続的になります。そこで、写真のように天井野縁側には防湿フィルムを貼っています。

小屋裏換気があって、かつ、寒冷地でもなければ、必ずしも野縁下に防湿フィルムを張る必要はないのですが、その場合は、せめて石膏ボードを4周打ちにしてジョイント裏に野縁をまわしたいところです。適度な気密性が保たれることで24時間換気扇が効果的に機能し、冬場の室内にある湿気を排出してくれます。

この防湿層というのは意外と現場で軽視されがちですが、面材耐力壁で固められた現代木造の外壁の防湿層は、内部結露防止上、非常に重要なものとなっています。もっとも、今回は面材耐力壁のほとんどが、ダイライトで構成されているので、構造合板と比較すると透湿抵抗が低く、壁内に侵入した湿気による内部結露がしにくい計画となっています。(構造用合板が透湿抵抗10.0㎡・h・mmHg/gに対して、ダイライトは3.0㎡・h・mmHg/gと、壁内に侵入した湿気をせき止めずに通気層に導きやすい構造となっている。)