躯体施工状況

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前回から工事のペースは大分落ち着きました。外壁の面材耐力壁や、柱、梁等の接合金物の施工が着々と進んでいます。

間もなく、我々設計者及び検査機関の中間躯体検査が行われますが、そこでたくさん指摘事項がでると是正やその確認も大変なので、こうやって定期的に現場を見て、勘違いや連絡の行き違いなどによっておかしな状況になっている部分や、調整を要する部分等の指摘や協議をするようにしています。あまり、常駐監理のように頻繁に行き過ぎると、現場を見る目が設計監理者(第三者)ではなく、施工者と同じ内側の視点になってしまうので、どうしても気が付きにくい点が出てきます。かといって、間が空きすぎると、見るべきところが見れずに前に進んでしまいます。経験的には、施工者とタイミングを図りながら週一ぐらいのペースがちょうどよいと思っています。今回も、いくつかの指摘や協議を行うと同時に、前回指摘事項の、是正されたものについて確認を行いました。

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例えば、これは、以前のブログで紹介した高耐力アンカーボルトに取り付いている柱脚金物です。大地震の際に耐力壁によって生じる柱の引き抜き力に対して、柱が抜けないように取り付いている金物ですが、この箇所は応力が集中するため、通常よりも高い強度のものを設置するよう設計されています。あまり使わない金物なので、初めは違う金物が、勘違いされて設置されていたのですが、前回指摘したことで、既に是正されていました。このような小さなことの積み重ねによって、中間検査時には出来るだけ指摘が出ない状況にして、次のステップにスムーズに進んでいきたいと思っています。

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話は変わりますが、これは、床下の基礎断熱の施工状況です。以前のブログでは基礎の立ち上がりに設置したところを取り上げましたが、雨が中に入ってこない状況になってきたので、基礎スラブの外周にも設置している状況です。高基礎の床上部分の断熱については、次のステップです。

この外周の基礎立ち上がりとスラブの断熱材によって、床下が外気の温熱環境の影響を受けにくくなります。また、外周以外の内側の基礎スラブは、中長期的に、1年を通じて安定している地熱環境と同化していくため、冬場と夏場、ともに省エネ効果が発揮されることが知られています。なお、この外周基礎スラブの断熱材は、建物全体での熱損失的な影響があまりないと判断できる場合もあり、敷かないケースもありますが、今回は基本に忠実に設計してあります。

次回は中間検査後になりますが、躯体の話を、少しいろいろと説明できたらと思います。