人と建築が最も長い時間接している場所は床です。
人とモノとの直接的な関係が希薄になりがちな現代社会において、Villa Cocoroでは、敢えて足触りを意識した床仕上げを提案しました。
例えば1階では、凹凸がありながらソフトな足触りのパイン材によるちょうな掛けフローリングを基調とし、囲炉裏や座卓の間、そして浴室には、それとは対照的な石や竹、磁器タイルといったフラットで固い材料を用い、素足で歩いた時の足触りの変化を意識的に感じられるようにしました。
パイン材には焦げ茶色のオイルステインを染み込ませました。これは、パイン材特有の節を隠すというだけでなく、太陽の日差しの反射効果によって水面のような印象を生み出し、他の仕上げの床をそこに浮かぶアイランドのように引き立てています。
Photo: Jimmy Cohrssen (2,3), Kimizuka Architects