実際に住み始めていろいろなモノが置かれてくると、特に意識することもなくなってしまうものですが、このように引渡し前の住宅の窓から射し込む普通の光が、実はその家の生活のリズムに無意識的な影響を与えることがあるように思います。
例えば、この住宅のダイニングキッチンは南東に面しているため、朝陽がもっともたくさん射し込みます。一日の始まりが明るい食卓から始まるわけです。
また、寝室は北側にありますが、L型プランによって南側にテラスを設けているため、日昼の陽が射し込みます。窓も風が抜けるよう配慮されています。通常の住宅の寝室というと、空気が籠ったり、陽射しが得られない為に冬は寒く夏はじめじめした環境になりがちで、最近のベッドや布団を干さないライフスタイルに適しているとは言えませんが、この住宅の寝室はそのような心配がありません。
普通の光が普通の生活のリズムをつくってくれます。
Photo: Kimizuka Architects