Villa Cocoroのリノベーション前の古民家の天井はとても低かったので、床を掘り込み、天井を抜いて小屋裏を開放し、高さ方向の広がりが感じられるスペースを、様々な「間」への動線が集中する建物中央に計画しました。
掘り込み床には、“掘る”にちなんで、この土地でかつて採れ、現在は建物の解体時に出る廃材でしかなかなか手に入らない沢田石を用いました。さらには、床だけでなく、囲炉裏も沢田石を積んでつくっています。
仏教では場所の神様を正方形の孔で表現することがありますが、古民家の中央に設けられた正方形の掘り込み床と囲炉裏は、この移築された古民家が、大地に根付くことを願う印のようにも見えます。
Photo: Jimmy Cohrssen, Kimizuka Architects (2右)