狭小住宅は、結局のところ、小手先のデザインではなく、住まい手のライフスタイルに掛かっています。
逆旗竿敷地に建つこの家は、クライアントの希望で、主寝室とLDKを充実させる代わりに子供部屋をあえて設けていません。階段廻りのロフトを含む3層を、子供のスペースとして成長に応じて使いこなす前提です。
また、LDKでは通常よりも一回り小さなサイズのアイランドキッチンをオーダーで作り、小さな机を並べてダイニングスペースに。背面収納は作らず、パントリースペースを設け、収納棚の奥行き分だけLDKのスペースが広く確保しています。
竣工後、2年目の状況は、子供はまだ小さいこともあり、LDKの一部が子供のスペースとして活用されていました。これから子供の成長に応じて、徐々に階段廻りに手が加えられていくことになるでしょう。
しかし、それにしても、現在は非常に広々と使われており、スペースがむしろ余っているところもありました。これも、必要以上にモノを持たないというクライアントのポリシーがあってのことです。
Photo: Kimizuka Architects