古民家の天井の低さを受け入れたVilla Cocoroの座卓の間では、水平方向の広がりが感じられれば良いと考え、室内だけでなく、濡れ縁を介した外部に対しても意識を向かわせるつくりとしました。
また、当初は普通に畳を敷き、和室っぽくすることも考えましたが、ペット同伴が前提のことから、匂いがつかないようにと、竹に変更しました。集成材の縦方向の繊細な表情が引き立つと考え、“すだれ貼り”を採用したのですが、これがなかなか効果的でした。
この座卓の間が、和室をイメージしながらも和室っぽく見えないのは、単に畳を竹に変えたというだけでなく、床の間、脇床、付書院という、和室の形式を、カウンターと収納という純粋な機能に置き換えているからかもしれません。また、収納の仕上げも、一見和紙に見えますが、ネパール産のロクタ紙を使用し、和紙よりも無骨な表情を出しているところなども影響していると思います。
Photo: Jimmy Cohrssen, Kimizuka Architects (右)