O Houseには、キッチンの背面収納と表裏一体となった小さなアトリエがあります。少し広めの廊下程度のスペースで、クライアントが家事・育児の傍ら、時間が空いた時にアートワークをしています。
間仕切りのある個室とはしていませんが、アトリエなので常に小奇麗に整理整頓されているわけではないことから、来客が訪れるLDK側からは死角になるよう計画しました。
アトリエやホビールーム、書斎、ホームシアターなどは、オーダー住宅ではしばしば計画されますが、概して使いこなされずに倉庫や開かずの間になっているという話も聞きます。
しかしこの家のアトリエは、毎回訪れる度にフル稼働していることに驚かされます。モノを作る方ならわかるかも知れませんが、引っ越し当時に撮影した綺麗な状態からは想像できないぐらいに、この部屋がアトリエとして使いこなされ、多少煩雑でもネルギーに満ちている光景を見る度に、設計者としてとてもうれしく思います。
photo: Makoto Yasuda/ Nakasa&Partners (1左), S.Ohshima(3右), Kimizuka Architects