先行防腐防蟻処理

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

実は昨年度末、基礎完了の確認時に大工さんの工場に案内してもらい、製材の一部を見せてもらいました。

手前に置いてあるのは屋根の隅木(べいまつ)です。南西の庇構造の要です。プレカットで対応できないので手刻みで加工してくれています。刻んであるところに垂木が掛かります。先端(手前)にテーパーがついていますが、これは次回説明します。

そして、奥に積んであるのが土台(ヒノキ)です。これは、プレカットされたものに、防蟻措置を施したものです。今回使用するのは人体に害のないホウ素系防腐防蟻剤です。色が白いので近くで見ないとよくわかりませんが、きちんと塗られています。

基礎断熱工法の場合は床下空間と屋内空間が連続する部分があるので、土台等の防腐防蟻剤の選定には注意を払いたいところです。一般的に使用されている防腐防蟻剤はいわゆる農薬です。今回のホウ素系防腐防蟻剤は、農薬と違って揮発・蒸発せず、染み込むことによって性能を発揮するものなので、空気を汚さず効果も長期間にわたって持続します。

土台には事前に措置を施し、現場で施工後に再度塗ります。たまに、土台の底の事前措置をせずに、土台を設置してから防腐防蟻剤を塗っている施工者がいますが、その場合は底の部分は塗られていません。

もっとも、ヒノキ土台なら防腐防蟻処理は必ずしも必要ないという考え方もあるのですが、実施設計段階の見積もり時に、施工者にリサーチをしたところ、この辺ではヒノキでも防腐防蟻処理はするということだったのでそのような設計になっています。