基礎工事完了

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基礎工事完了しました。

基礎工事というのは、施工者にとっては上部躯体工事前の初めのミッションですが、基礎工事がきちんと施工できる施工者は、上部躯体工事もきちんとできることが多いです。その意味では今回はとても良かったと思っています。この「きちんと」というのは、単なる表層的な問題ではなく、細部にわたる調整のプロセスの質を差しています。

単純に出来上がっているように見えますが、基礎工事には様々な専門工事業者が関係しています。そして、其々の工事は独立しているものではなく互いに連関しているものなので、相互の調整や現場での確認が必要になります。また、基礎の施工図の調整にあたっては、これからはじまる上部躯体工事の施工図も検討したうえで行われています。そういった業者間調整の質は、元請の建設会社の施工管理能力にかかっています。元請の建設会社が本来の仕事である施工管理を怠り、専門業者に丸投げして進めてしまうと、似て非なる基礎が作られてしまう場合もあります。

我々設計事務所の監理は、実施設計図書に基づき、設計意図を伝え、施工図による調整内容を協議し、現場でそれがきちんと施工されているかを施工者ではない第3者の目から確認することです。しかし、実際に作るのは各種専門業者であり、現場で彼らを束ねるのは元請の建設会社です。したがって、施工者が設計意図に従って施工を行うという前提がなければ、我々の監理は機能しませんし、実施設計図書や、施工図での打ち合わせは何の意味もなくなってしまいます。今回の基礎工事は、そういう意味で、元請の建設会社をはじめ、皆さんとても頑張ってくれました。結果もそうですが、これに至るまでの工事打ち合わせのプロセスも誠実に対応頂いたので、今後の上部躯体工事にもとても期待が持てます。