アンカーボルトの確認

型枠状況2回目の耐圧盤コンクリート打設を終え、基礎の立ち上がり部分の型枠を設置している状況です。

土台や、柱脚部の引き抜き金物用のアンカーボルトの設置の確認のために現場に足を運んだのですが、残念ながら予定より遅れてまだ途中でした。こういうことはよくあるので、こういう場合の確認方法について今日はお話しします。

まず、今回設置予定のアンカーボルトが現場に搬入されているかを確認します。搬入されていない場合は論外ですが、きちんと搬入されていました。今回は5種類のアンカーボルトがあります。

高強度ボルト

まず、これは、今回使う、柱脚引き抜き金物用のアンカーボルトのうち、高耐力部分に使う特殊なものです。今回は高耐力部分が3か所あります。このタイプのアンカーボルトには筋交いと取り合う部分に取り付けるタイプと、筋交いと取り合わない部分に取り付けるタイプがあり、長さが異なります。今回は筋交いではなく、面材のみのところに取り付けるタイプのものなので、その長さを確認します。

一般HD用アンカーボルト

次に、これらは、今回使う、一般の柱脚引き抜き金物用のアンカーボルトです。短いタイプは筋交いと取り合わない部分に取り付けるもの、長いタイプは筋交いと取り合う部分に取り付けるタイプです。

このほかに、独立柱の引き抜き金物用アンカーボルトが1か所だけあります。

土台アンカーボルト

最後に、土台に取り付けるアンカーボルトです。

このように、搬入されているアンカーボルトの仕様と長さを確認しておくことで、次回現場で施工済みのアンカーボルトの頭ので寸法から逆算することによって、基礎コンクリートにどれだけの長さが埋め込まれているかが確認できます。アンカーボルトは埋め込み長さが命ですが、今回は、其々、一般の埋め込み長さよりも短くて良い特殊なアンカーボルトを採用しています。というのは、初めに耐圧盤のコンクリートを打ってからアンカーボルトを設置するため、埋め込み長さが長いタイプのアンカーボルトだと曲げて設置しなくてはならないところもあり、相当な手間だからです。なお、実際にはアンカーボルトには最低埋め込み長さのポイントに刻印がされているので、よほどのことがない限りは間違えることはありません。したがって、アンカーボルトの仕様が設計同等以上のものかを確認しておくことが重要となります。

ボルト位置マーキング

次に、現場ではアンカーボルトの設置はまだ未完了でしたが、これからアンカーボルトを取り付ける鉄筋にマーキングが施されていたので、そのマーキングを一通り確認しました。右側は引き抜き金物用のアンカーボルト位置、左側は土台用のアンカーボルト位置です。

これらのマーキングの位置に、所定のアンカーボルトを、所定の埋め込み長さをみて設置していくわけですが、もう一つ重要なポイントは、引き抜き金物用のアンカーボルトとたすき掛けの筋交いが干渉しないようにアンカーボルトを設置することです。今回は数カ所そういうところがありますが、これについても施工者とはしつこいくらいに打ち合わせてきました。今回は、その施工図を打ち合わせてきた元請担当者が自らアンカーボルトをセットするということでしたが、これはとても良いことだと思います。まあ、設置するのは誰であれ、元請業者が最終確認するという施工者としての自主管理をきちんとしていればよいだけの話ですが、何かと下請けに丸投げ状態になりチェックが甘くなることが多いので、元請業者で、かつ、施工図を描いた担当者自らが、アンカーボルトの設置をするというのは好感が持てます。

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ちなみにこれは、後日施工者から送られてきたアンカーボルト設置状況の写真です。高耐力柱脚引き抜き金物用のアンカーボルトと、土台アンカーボルトが設置されています。